2022年10月22日 [日常あれこれ]
世界の名作童話を改めて鑑賞してみた〜小公女セーラ
こんにちは、獣医師の大野です。
かなり肌寒くなってきましたね。
そろそろ来春に咲かせるためのチューリップの球根を植えたいです。
植えたいんですが、場所がありません。何故なら…
何故今?気温に花が合ってませんね。
しかも涼しいので花持ちがよく、夏は1週間ぐらいでダメになるのですが、
2週間超えても終わる気配がありません。
まあ、良いでしょう。好きなだけ咲いてるがいいさ。
先日Amazonprimeで何か面白いもんないかな〜と探していたところ
見つけました。
↑懐かしい!!
30代以上の方なら1度ぐらい見たことあるんじゃないかと思いますが、
ムーミンとか、フランダースの犬とか、ラスカルとか、放送してたあれです。
昔は日曜日は2時間ぐらいぶっ通しでアニメ放送してましたよね。
よくよく考えたら、世界の名作と言われるものを私はあまりちゃんと知りません。
○フランダースの犬→貧しくて教会で死んだ少年と犬の話
○あらいぐまラスカル→あらいぐまと、勝手な都合で飼育放棄したのに森に返すと正当化した少年の話
○若草物語→4人姉妹で誰かが髪の毛売ってお金作ったり誰かが亡くなったりした気が…
○トラップ一家→やたら子供の多い家で、やたらと歌を歌う話
○アルプスの少女ハイジ→巨大ブランコ漕いだりクララが立ったり家庭教師のトライでお勉強したり…
とまあ、こんな感じで話のさわりしか知らないものも多いのです。
ですので、いい機会ですからちゃんと見てみようと思いました。タダだし。
数ある中で選んだのがこちら
小公女セーラ
なんとな〜く知っている内容で言うと、優しくて可愛いお嬢様が一気に貧乏になってメイドになり、
散々いじめられたけど最終的には身分が回復してハッピーエンド、という感じでしょうか。
何故この話にしたかというと、この話が放送されていた1985年に自分が生まれたからという
ただそれだけの理由です。
大体1話が20分程度で全46話あるようです。つまり、歌とか飛ばして見続けたら約15時間!
Amazonprimeの辛いところは倍速モードで再生できないところですが、
片手間に見るなら良いかな〜と思います。私は壁面工作作ったり、裁縫しながら見ました。
因みに私が生まれる前日の放送で、セーラは病気で死にかかってました。
まず、全体を通してですが、私が何となく把握してた話の概要は当たっていました。
ただ気になるのは、話全体を通してなんだかちょっとイラっとすることが多いのです。
このイラつきの原因は何だろうと考えてみましたが、理由の一つは
主人公のセーラは本当に優しくて良い子なのだろうか…と疑問が生じたことだと思います。
このアニメが対象にしている小学生ぐらいの子供たちが見ると、
「セーラが可哀そう!」「セーラは何もしてないのに!」と思うのかもしれませんが、
とうに純粋さを失って心がヤサグれている37歳の立場から見ますと、
ん〜セーラもなかなかクセ者だな〜と思うわけです。
具体的にいくつか挙げていきます。
※イラストは著作権的に出していいのかわからなかったので、
ちょちょいとデッサンしてみました。割と似てると思う・・・
➀セーラの特別扱いが鼻につく
物語の舞台は1885年のイギリスのロンドンです。(切り裂きジャックとほぼ同じころ)
当時イギリスの植民地であったインドで生活していたイギリス人のセーラは、
イギリスでの教育を受けるため、父親に連れられて寄宿舎のある女学園に編入します。
セーラの父親はダイヤモンド鉱山開発をしている超金持ちなのですが、
周りが引くほどセーラを溺愛しています。
そしてこの父親はミンチン先生という校長先生的な人に
・セーラには特別室、専属のメイド、専用の馬車、専用の御者を用意する事
・部屋のベッドや家具、絵画など、高価なものでそろえること
を要求します。
この時点で、「ん?」と思うわけですよ。
だったら家庭教師でも雇って家で教育すればいいのにと。
集団生活だって言ってるのに、特別扱い要求するの?って。
それは先生から見ても同級生から見ても嫌な感じに映らない?
因みに父親の要求は「は?」と思うものの、セーラはそれを当然というような顔をしています。
逆に特別扱い出来ないといわれる場面ではすごく傷ついた顔をしてみせるのです。
・・・本当にいいとこのお嬢様なのか・・・?慎みがないんじゃ・・・?
ミンチン先生はセーラ本人に会う前から、もう印象は最悪な様です。
眉間にしわが寄ってます。
➁セーラ、マウント取りつつ先生に恥をかかす
セーラの女学園では、フランス語教育に力を入れています。
初めてのフランス語の授業の際、ミンチン先生はセーラに
「インドではフランス語は使わなかったかもしれないが、数カ月もすれば
挨拶ぐらいはできるようになるから頑張りなさい」と言います。
ここで11歳の子供に勝ち誇った顔をするミンチン先生も大人げないのですが、問題はここからです。
実はセーラは亡き母がフランス人だったらしく、フランス語を話せるのです。
そのことをフランス語の外部の講師が来た際に、フランス語で講師に説明し、
「だから私にはこの授業は簡単すぎます」とミンチン先生や同級生の前で言うのです。
いや、それ、言わない方が良いんでないかい?ちょっと感じ悪くないか?
ちょっとずつ上達したことにすればいいじゃん!
もしくは「やったことあるけど忘れてしまってるから私も頑張ります」ぐらいでいいじゃん。
皆がフランス語を頑張っているのに、何であなたマウント取るのよ。
そしてわざわざみんなの前でミンチン先生恥かかしちゃだめよ。
・・・本当にいいとこのお嬢様なのか・・・?
上記の2つに関しては当時のイギリスの時代背景もあり、
身分の高いものは身分の高いものとしてのふるまいを求められ、
身分の低いものは低いものとしてのふるまいを求められ、
自分の身分と違う言動や行動は悪とされていたようです。
それなら仕方ないのかな…とも思ったのですが、
ただ!
セーラはインドに戻った父親の病死と事業の失敗により、破産をして全ての財産を失います。
これにより、セーラに投資をしていた学校側は負債を負うことになります。
そんなわけで特別な生徒としての扱いは終わり、女学園を追い出されそうになります。
そこでセーラは「置いてもらえるならどんなことでもする」と約束し、
この女学園でメイドとして働くことになるのです。
ということは、セーラは身分が低いものとして働くということになるため、
身分が低いものとしてのふるまいが求められるのです。が・・・
➂セーラ、自分の状況を理解していない上に自分勝手
ミンチン先生に明日の朝から働くようにと言われていたにもかかわらず、
もう一人のメイド、ベッキーに「あなたは朝の仕事に行って」とかなんとか言いつつ
何故か自分は屋根裏の自分の部屋でのんびり人形に話しかけています。
で、朝ごはんが終わって授業が始まる頃になって部屋から出てくるのです。
当然叱責を受けるのですが、被害者のような顔をしてさらに怒りを買います。
謎です。とりあえずベッキーと一緒に下に下りればいいのに。仕事舐めてます。
また、別の日にはミンチン先生に、
「仕事が終わったら教会に行ってもいいですか」と聞きます。
当然、仕事に終わりなんてないので叱られ、その後夕飯の材料を買いに
市場に出かけるのですが、ウインドウのドレスをぼんやり眺めたりして、
あまり時間を気にしている感じもなく、そして買い物カゴぶら下げたまま
なんと!教会に行くのです。ダメって言われたのに。
お伺い立ててるように見えて、結局言うことなんかきかないんですね。
もしくは「仕事が終わったら…」を叱られたからまさかの「仕事中に」行くという、
まるで一休さんのような少女です。
それに、夕飯の買い出しなんて夕飯づくりの一番最初の工程です。
他の使用人も食材待ってるんだし、夕食の時間も決まってるんだろうから、
どうしても教会に寄りたいなら前後ダッシュすればいいのに。
他人の時間を使ったり予定を変更させることはためらわない、
でも自分のスタイルは貫いて自分のやりたいことは絶対にやる、
大人しい顔してかなり気が強く自分本位な女、それがセーラです。
➃親切にしてくれた人にちゃんとお礼を言わない
セーラはお腹を空かせていることが多く、ややふらついています。
買い物帰り、そんなセーラを目撃したお金持ちの男の子、ドナルドは、
母親からもらったばかりの銀貨をセーラに渡します。
「お腹がすいているんでしょ?これで何か食べて」と。
多分小学校低学年ぐらいだと思いますが、何て出来た少年なんでしょう。
【ドナルド】という名前から某元大統領みたいなのをイメージしましたが
金持ちという点以外はあまり共通点はなさそうです。
しかし、セーラはこのドナルドの優しさに強い衝撃を受けます。
そして、お礼もそこそこで学園に帰り、
「お嬢様だった私が同情されて施しなんか受けるなんて」と悔しさで泣くのです。
いやいや、だとしてもちゃんとお礼を言いましょう。
ドナルドは事情知らないし、ただただ優しいんだと思うよ?
あなただってお嬢様時代は同級生を物でつったり施しして良い気分に浸ってたじゃないの。
苦々しく思ってた人も居たかもしれないよ?
また、メイド仲間、ベッキーとの関係性も非常に興味深いものがあります。
ベッキーは田舎から出てきて、メイドとして働くために屋根裏の隣の部屋に住んでいます。
ここはイギリスですが、何故か日本の東北弁のなまりが特徴です。
ベッキーはセーラがまだお嬢様であった時代からセーラを慕っており、
セーラがメイドの身分に転落してからも、大変な仕事を代わってくれたりなど、
ことあるごとにセーラを庇ってくれます。
良い子ですね〜。
ただ、そんなベッキーにも気になるところが一つあります。
セーラは身分が落ちてからも、何とか日々を生活していこうと彼女なりに頑張ります。
何かを指示されるためにいちいち「え…?私が…?」みたいな顔をしてしまう癖もありますが、
それでも「やってみよう」と頑張ろうとするのです。この前向きさは立派です。
ですが、大体1話に1回ぐらい、ベッキーがここで要らぬことを言うのです。
「お嬢様がそんなことをするなんて…おかわいそう…」
「以前はお嬢様が使ってたお部屋なのに…おかわいそう…」
ベッキーさ、もう蒸し返さないであげてよ。
セーラ、思い出しちゃうじゃん。
セーラは「ベッキー、それは言わない約束よ」とか毎回言うんですけど、
ベッキーは口に出さずにはいられないようです。
それほどセーラは気にしてないのかな、と思ってたんですが、腹の中ではわかりません。
身分が落ちた後もセーラは仕事が終わった後一人自室で勉強を続けるのですが、
「勉強を忘れたら、ベッキーと同じになってしまう」的なことを心の中でつぶやきます。
セーラったら、そんなふうに思ってたのね。
あんな良くしてもらってるのに何で?
やっぱり蒸し返してくること根に持ってたの?
ある出来事がきっかけで、ミンチン先生に屋根裏からも追い出されたセーラ。
外の馬小屋で寝るように言われたセーラに、ベッキーは
「お嬢様、私の部屋で一緒に寝ましょう。
暖炉はないけど、馬小屋よりは暖かいです」
と誘ってくれます。結局バレてそれは出来なかったけど、本当はそれぐらい優しいんですけどね。
セーラにはどうも響いてないような気がします。
ベッキーとのやり取りで気になるのはもう1つ。
セーラに匿名で高価な贈り物が届くようになり、ミンチン先生は再び
セーラに屋根裏部屋を使用することを許します。金持ちがバックについていると思ったのです。
そして、屋根裏のセーラの部屋の暖炉に火を入れることを許可します。
これまで極寒だった屋根裏部屋は暖かくなり、ベッキーは自分のことのように喜びます。
勿論セーラもそんなベッキーに「ありがとう」というのですが、
いや、そこは
「ベッキー、私の部屋で一緒に寝ましょう」
じゃないの?
ベッキーはあなたを部屋に誘ってくれたでしょ?
何であなたはベッキーを誘ってあげないの?
ベッキーの部屋が未だに極寒なこと知ってるでしょ?
いかがですか?セーラに関する一部だけでもこれだけイラっとポイントがあるのです。
私の心が狭いのでしょうか。ひねくれてはいますけどね。
そして、この話にはもう一人、なかなかヤバイ人がいます。
それは隣の家に引っ越してきたクリスフォードさんという男性です。
クリスフォードさんは実はセーラの父親の仕事仲間でした。
セーラの父親の死後、鉱山からダイヤモンドが出たため
破産が取り消され、セーラに財産が復活したことを伝えるために
セーラを探しに来ました。ただ、父親の名前はわかるものの、
娘が「セーラ」という名前であることは知らず、もちろん顔も知らないのです。
このクリスフォードさん、隣家の屋根裏に住む少女を気にするようになります。
クリスフォードさんは車椅子に乗っていて身動きが取れないので、
使用人に屋根づたいに部屋の中の様子を見に行かせるのです。
怖っ!
それが自分の探しているセーラ本人であることは気付いていないのですが、
セーラの身なりが良くないことなどが気になって、匿名で高価なプレゼントを贈り始めます。
これによって、セーラに金持ちのバックがついているとミンチン先生は思い始め、
セーラの地位が徐々に回復していくのですが、気になるのは贈り物の宛先です。
【屋根裏の右の部屋の少女へ】
何故でしょう。左の部屋には同じく身なりの良くないベッキーがいるのに。
ベッキーだって同じ境遇であろうことは予測がつくのに。
どうしてセーラだけなの?顔が好みなの?
でもセーラは11歳で、あなた30代の男性よね?
セーラをどうする気なの!?
と、言いたくなるのは私だけでしょうか。
お金持ちならベッキーも救ってやってくれよ。
また、クリスフォードさんは弁護士に依頼してセーラを探させているのですが、
ある日、衝撃的なことを言い始めます。
「自分が探している少女が、屋根裏の少女のような良い子かどうかはわからない。
もういっそ、見つからなければよいのに」
はぁ?何言ってんの?あんた正気か?
友人の娘が困ってるだろうからって探しに来たんじゃなかったの?
10代前半の嫁を探しに来たのかい?
まあ、なかなかヤバイおじさまなのです。
純粋な気持ちで見ている子供たちは裏読みしたりしないんでしょうけど、
心がヤサグれている37歳の立場から見ていますと、
何だこの世界!ほんわか魑魅魍魎がそこかしこにいます。
小学生が初対面の自己紹介で息をつくように親の職業を言い合うなんて、
それはそれは気味の悪い世界です。
また、セーラの同級生のアーメンガードという女の子。
成績が一番悪く、周りからややいじめられています。
アーメンガードは比較的良い子なのですが、彼女にも気になる点があります。
アーメンガードの同室にはラビニアという気の強い女の子がいます。
起床時間になってもアーメンガードは「もうちょっと…」となかなか起きません。
ラビニアは「早く起きなさいよ!」と何度も声をかけるのですが、
結局アーメンガードは起きず、最終的には遅れて教室に入ります。
そこでまたラビニアは「あなたが遅れると私が先生に怒られるのよ」とアーメンガードを責め、
アーメンガードは言い返せず悲しそうな顔をするのです。
これ、アーメンガードずるくないですか?
私から見るとラビニアの言ってることは「ごもっとも」だと思うのです。
これは自分の欲望を優先して周りに迷惑をかけることを厭わないという点で、
買い物の途中に教会に勝手に行ったセーラと共通する部分です。
大人しい顔して実は気の強い女はここにもいました。
でもラビニアは不利です。
↑この顔で子供向けアニメで、良い子であることは絶対にないのです。
分かりやすく意地悪な悪い子です。
まあ実際嫌な奴なんですけど、だからと言って全て間違ってるわけではないです。
まあこんな癖の強い人々が多い小公女セーラですが、
全体を通してず〜っといい子もいます。
↑セーラ専用の馬車の御者をやってた少年ピーター。
この手の顔はアニメでは絶対良い子です。決まってます。
ただ良い子なんでブログネタになるようなエピソードはありません。
というわけで、大人になってみる【小公女セーラ】は、
子供が見ている視点とは異なる面白さを見つけることができました。
暇すぎて暇すぎて…という方は是非見てみてください。
お子さんがいらっしゃる方は一緒に見て感想語り合うと楽しいと思いますよ♪
かなり肌寒くなってきましたね。
そろそろ来春に咲かせるためのチューリップの球根を植えたいです。
植えたいんですが、場所がありません。何故なら…
何故今?気温に花が合ってませんね。
しかも涼しいので花持ちがよく、夏は1週間ぐらいでダメになるのですが、
2週間超えても終わる気配がありません。
まあ、良いでしょう。好きなだけ咲いてるがいいさ。
先日Amazonprimeで何か面白いもんないかな〜と探していたところ
見つけました。
↑懐かしい!!
30代以上の方なら1度ぐらい見たことあるんじゃないかと思いますが、
ムーミンとか、フランダースの犬とか、ラスカルとか、放送してたあれです。
昔は日曜日は2時間ぐらいぶっ通しでアニメ放送してましたよね。
よくよく考えたら、世界の名作と言われるものを私はあまりちゃんと知りません。
○フランダースの犬→貧しくて教会で死んだ少年と犬の話
○あらいぐまラスカル→あらいぐまと、勝手な都合で飼育放棄したのに森に返すと正当化した少年の話
○若草物語→4人姉妹で誰かが髪の毛売ってお金作ったり誰かが亡くなったりした気が…
○トラップ一家→やたら子供の多い家で、やたらと歌を歌う話
○アルプスの少女ハイジ→巨大ブランコ漕いだりクララが立ったり家庭教師のトライでお勉強したり…
とまあ、こんな感じで話のさわりしか知らないものも多いのです。
ですので、いい機会ですからちゃんと見てみようと思いました。タダだし。
数ある中で選んだのがこちら
小公女セーラ
なんとな〜く知っている内容で言うと、優しくて可愛いお嬢様が一気に貧乏になってメイドになり、
散々いじめられたけど最終的には身分が回復してハッピーエンド、という感じでしょうか。
何故この話にしたかというと、この話が放送されていた1985年に自分が生まれたからという
ただそれだけの理由です。
大体1話が20分程度で全46話あるようです。つまり、歌とか飛ばして見続けたら約15時間!
Amazonprimeの辛いところは倍速モードで再生できないところですが、
片手間に見るなら良いかな〜と思います。私は壁面工作作ったり、裁縫しながら見ました。
因みに私が生まれる前日の放送で、セーラは病気で死にかかってました。
まず、全体を通してですが、私が何となく把握してた話の概要は当たっていました。
ただ気になるのは、話全体を通してなんだかちょっとイラっとすることが多いのです。
このイラつきの原因は何だろうと考えてみましたが、理由の一つは
主人公のセーラは本当に優しくて良い子なのだろうか…と疑問が生じたことだと思います。
このアニメが対象にしている小学生ぐらいの子供たちが見ると、
「セーラが可哀そう!」「セーラは何もしてないのに!」と思うのかもしれませんが、
とうに純粋さを失って心がヤサグれている37歳の立場から見ますと、
ん〜セーラもなかなかクセ者だな〜と思うわけです。
具体的にいくつか挙げていきます。
※イラストは著作権的に出していいのかわからなかったので、
ちょちょいとデッサンしてみました。割と似てると思う・・・
➀セーラの特別扱いが鼻につく
物語の舞台は1885年のイギリスのロンドンです。(切り裂きジャックとほぼ同じころ)
当時イギリスの植民地であったインドで生活していたイギリス人のセーラは、
イギリスでの教育を受けるため、父親に連れられて寄宿舎のある女学園に編入します。
セーラの父親はダイヤモンド鉱山開発をしている超金持ちなのですが、
周りが引くほどセーラを溺愛しています。
そしてこの父親はミンチン先生という校長先生的な人に
・セーラには特別室、専属のメイド、専用の馬車、専用の御者を用意する事
・部屋のベッドや家具、絵画など、高価なものでそろえること
を要求します。
この時点で、「ん?」と思うわけですよ。
だったら家庭教師でも雇って家で教育すればいいのにと。
集団生活だって言ってるのに、特別扱い要求するの?って。
それは先生から見ても同級生から見ても嫌な感じに映らない?
因みに父親の要求は「は?」と思うものの、セーラはそれを当然というような顔をしています。
逆に特別扱い出来ないといわれる場面ではすごく傷ついた顔をしてみせるのです。
・・・本当にいいとこのお嬢様なのか・・・?慎みがないんじゃ・・・?
ミンチン先生はセーラ本人に会う前から、もう印象は最悪な様です。
眉間にしわが寄ってます。
➁セーラ、マウント取りつつ先生に恥をかかす
セーラの女学園では、フランス語教育に力を入れています。
初めてのフランス語の授業の際、ミンチン先生はセーラに
「インドではフランス語は使わなかったかもしれないが、数カ月もすれば
挨拶ぐらいはできるようになるから頑張りなさい」と言います。
ここで11歳の子供に勝ち誇った顔をするミンチン先生も大人げないのですが、問題はここからです。
実はセーラは亡き母がフランス人だったらしく、フランス語を話せるのです。
そのことをフランス語の外部の講師が来た際に、フランス語で講師に説明し、
「だから私にはこの授業は簡単すぎます」とミンチン先生や同級生の前で言うのです。
いや、それ、言わない方が良いんでないかい?ちょっと感じ悪くないか?
ちょっとずつ上達したことにすればいいじゃん!
もしくは「やったことあるけど忘れてしまってるから私も頑張ります」ぐらいでいいじゃん。
皆がフランス語を頑張っているのに、何であなたマウント取るのよ。
そしてわざわざみんなの前でミンチン先生恥かかしちゃだめよ。
・・・本当にいいとこのお嬢様なのか・・・?
上記の2つに関しては当時のイギリスの時代背景もあり、
身分の高いものは身分の高いものとしてのふるまいを求められ、
身分の低いものは低いものとしてのふるまいを求められ、
自分の身分と違う言動や行動は悪とされていたようです。
それなら仕方ないのかな…とも思ったのですが、
ただ!
セーラはインドに戻った父親の病死と事業の失敗により、破産をして全ての財産を失います。
これにより、セーラに投資をしていた学校側は負債を負うことになります。
そんなわけで特別な生徒としての扱いは終わり、女学園を追い出されそうになります。
そこでセーラは「置いてもらえるならどんなことでもする」と約束し、
この女学園でメイドとして働くことになるのです。
ということは、セーラは身分が低いものとして働くということになるため、
身分が低いものとしてのふるまいが求められるのです。が・・・
➂セーラ、自分の状況を理解していない上に自分勝手
ミンチン先生に明日の朝から働くようにと言われていたにもかかわらず、
もう一人のメイド、ベッキーに「あなたは朝の仕事に行って」とかなんとか言いつつ
何故か自分は屋根裏の自分の部屋でのんびり人形に話しかけています。
で、朝ごはんが終わって授業が始まる頃になって部屋から出てくるのです。
当然叱責を受けるのですが、被害者のような顔をしてさらに怒りを買います。
謎です。とりあえずベッキーと一緒に下に下りればいいのに。仕事舐めてます。
また、別の日にはミンチン先生に、
「仕事が終わったら教会に行ってもいいですか」と聞きます。
当然、仕事に終わりなんてないので叱られ、その後夕飯の材料を買いに
市場に出かけるのですが、ウインドウのドレスをぼんやり眺めたりして、
あまり時間を気にしている感じもなく、そして買い物カゴぶら下げたまま
なんと!教会に行くのです。ダメって言われたのに。
お伺い立ててるように見えて、結局言うことなんかきかないんですね。
もしくは「仕事が終わったら…」を叱られたからまさかの「仕事中に」行くという、
まるで一休さんのような少女です。
それに、夕飯の買い出しなんて夕飯づくりの一番最初の工程です。
他の使用人も食材待ってるんだし、夕食の時間も決まってるんだろうから、
どうしても教会に寄りたいなら前後ダッシュすればいいのに。
他人の時間を使ったり予定を変更させることはためらわない、
でも自分のスタイルは貫いて自分のやりたいことは絶対にやる、
大人しい顔してかなり気が強く自分本位な女、それがセーラです。
➃親切にしてくれた人にちゃんとお礼を言わない
セーラはお腹を空かせていることが多く、ややふらついています。
買い物帰り、そんなセーラを目撃したお金持ちの男の子、ドナルドは、
母親からもらったばかりの銀貨をセーラに渡します。
「お腹がすいているんでしょ?これで何か食べて」と。
多分小学校低学年ぐらいだと思いますが、何て出来た少年なんでしょう。
【ドナルド】という名前から某元大統領みたいなのをイメージしましたが
金持ちという点以外はあまり共通点はなさそうです。
しかし、セーラはこのドナルドの優しさに強い衝撃を受けます。
そして、お礼もそこそこで学園に帰り、
「お嬢様だった私が同情されて施しなんか受けるなんて」と悔しさで泣くのです。
いやいや、だとしてもちゃんとお礼を言いましょう。
ドナルドは事情知らないし、ただただ優しいんだと思うよ?
あなただってお嬢様時代は同級生を物でつったり施しして良い気分に浸ってたじゃないの。
苦々しく思ってた人も居たかもしれないよ?
また、メイド仲間、ベッキーとの関係性も非常に興味深いものがあります。
ベッキーは田舎から出てきて、メイドとして働くために屋根裏の隣の部屋に住んでいます。
ここはイギリスですが、何故か日本の東北弁のなまりが特徴です。
ベッキーはセーラがまだお嬢様であった時代からセーラを慕っており、
セーラがメイドの身分に転落してからも、大変な仕事を代わってくれたりなど、
ことあるごとにセーラを庇ってくれます。
良い子ですね〜。
ただ、そんなベッキーにも気になるところが一つあります。
セーラは身分が落ちてからも、何とか日々を生活していこうと彼女なりに頑張ります。
何かを指示されるためにいちいち「え…?私が…?」みたいな顔をしてしまう癖もありますが、
それでも「やってみよう」と頑張ろうとするのです。この前向きさは立派です。
ですが、大体1話に1回ぐらい、ベッキーがここで要らぬことを言うのです。
「お嬢様がそんなことをするなんて…おかわいそう…」
「以前はお嬢様が使ってたお部屋なのに…おかわいそう…」
ベッキーさ、もう蒸し返さないであげてよ。
セーラ、思い出しちゃうじゃん。
セーラは「ベッキー、それは言わない約束よ」とか毎回言うんですけど、
ベッキーは口に出さずにはいられないようです。
それほどセーラは気にしてないのかな、と思ってたんですが、腹の中ではわかりません。
身分が落ちた後もセーラは仕事が終わった後一人自室で勉強を続けるのですが、
「勉強を忘れたら、ベッキーと同じになってしまう」的なことを心の中でつぶやきます。
セーラったら、そんなふうに思ってたのね。
あんな良くしてもらってるのに何で?
やっぱり蒸し返してくること根に持ってたの?
ある出来事がきっかけで、ミンチン先生に屋根裏からも追い出されたセーラ。
外の馬小屋で寝るように言われたセーラに、ベッキーは
「お嬢様、私の部屋で一緒に寝ましょう。
暖炉はないけど、馬小屋よりは暖かいです」
と誘ってくれます。結局バレてそれは出来なかったけど、本当はそれぐらい優しいんですけどね。
セーラにはどうも響いてないような気がします。
ベッキーとのやり取りで気になるのはもう1つ。
セーラに匿名で高価な贈り物が届くようになり、ミンチン先生は再び
セーラに屋根裏部屋を使用することを許します。金持ちがバックについていると思ったのです。
そして、屋根裏のセーラの部屋の暖炉に火を入れることを許可します。
これまで極寒だった屋根裏部屋は暖かくなり、ベッキーは自分のことのように喜びます。
勿論セーラもそんなベッキーに「ありがとう」というのですが、
いや、そこは
「ベッキー、私の部屋で一緒に寝ましょう」
じゃないの?
ベッキーはあなたを部屋に誘ってくれたでしょ?
何であなたはベッキーを誘ってあげないの?
ベッキーの部屋が未だに極寒なこと知ってるでしょ?
いかがですか?セーラに関する一部だけでもこれだけイラっとポイントがあるのです。
私の心が狭いのでしょうか。ひねくれてはいますけどね。
そして、この話にはもう一人、なかなかヤバイ人がいます。
それは隣の家に引っ越してきたクリスフォードさんという男性です。
クリスフォードさんは実はセーラの父親の仕事仲間でした。
セーラの父親の死後、鉱山からダイヤモンドが出たため
破産が取り消され、セーラに財産が復活したことを伝えるために
セーラを探しに来ました。ただ、父親の名前はわかるものの、
娘が「セーラ」という名前であることは知らず、もちろん顔も知らないのです。
このクリスフォードさん、隣家の屋根裏に住む少女を気にするようになります。
クリスフォードさんは車椅子に乗っていて身動きが取れないので、
使用人に屋根づたいに部屋の中の様子を見に行かせるのです。
怖っ!
それが自分の探しているセーラ本人であることは気付いていないのですが、
セーラの身なりが良くないことなどが気になって、匿名で高価なプレゼントを贈り始めます。
これによって、セーラに金持ちのバックがついているとミンチン先生は思い始め、
セーラの地位が徐々に回復していくのですが、気になるのは贈り物の宛先です。
【屋根裏の右の部屋の少女へ】
何故でしょう。左の部屋には同じく身なりの良くないベッキーがいるのに。
ベッキーだって同じ境遇であろうことは予測がつくのに。
どうしてセーラだけなの?顔が好みなの?
でもセーラは11歳で、あなた30代の男性よね?
セーラをどうする気なの!?
と、言いたくなるのは私だけでしょうか。
お金持ちならベッキーも救ってやってくれよ。
また、クリスフォードさんは弁護士に依頼してセーラを探させているのですが、
ある日、衝撃的なことを言い始めます。
「自分が探している少女が、屋根裏の少女のような良い子かどうかはわからない。
もういっそ、見つからなければよいのに」
はぁ?何言ってんの?あんた正気か?
友人の娘が困ってるだろうからって探しに来たんじゃなかったの?
10代前半の嫁を探しに来たのかい?
まあ、なかなかヤバイおじさまなのです。
純粋な気持ちで見ている子供たちは裏読みしたりしないんでしょうけど、
心がヤサグれている37歳の立場から見ていますと、
何だこの世界!ほんわか魑魅魍魎がそこかしこにいます。
小学生が初対面の自己紹介で息をつくように親の職業を言い合うなんて、
それはそれは気味の悪い世界です。
また、セーラの同級生のアーメンガードという女の子。
成績が一番悪く、周りからややいじめられています。
アーメンガードは比較的良い子なのですが、彼女にも気になる点があります。
アーメンガードの同室にはラビニアという気の強い女の子がいます。
起床時間になってもアーメンガードは「もうちょっと…」となかなか起きません。
ラビニアは「早く起きなさいよ!」と何度も声をかけるのですが、
結局アーメンガードは起きず、最終的には遅れて教室に入ります。
そこでまたラビニアは「あなたが遅れると私が先生に怒られるのよ」とアーメンガードを責め、
アーメンガードは言い返せず悲しそうな顔をするのです。
これ、アーメンガードずるくないですか?
私から見るとラビニアの言ってることは「ごもっとも」だと思うのです。
これは自分の欲望を優先して周りに迷惑をかけることを厭わないという点で、
買い物の途中に教会に勝手に行ったセーラと共通する部分です。
大人しい顔して実は気の強い女はここにもいました。
でもラビニアは不利です。
↑この顔で子供向けアニメで、良い子であることは絶対にないのです。
分かりやすく意地悪な悪い子です。
まあ実際嫌な奴なんですけど、だからと言って全て間違ってるわけではないです。
まあこんな癖の強い人々が多い小公女セーラですが、
全体を通してず〜っといい子もいます。
↑セーラ専用の馬車の御者をやってた少年ピーター。
この手の顔はアニメでは絶対良い子です。決まってます。
ただ良い子なんでブログネタになるようなエピソードはありません。
というわけで、大人になってみる【小公女セーラ】は、
子供が見ている視点とは異なる面白さを見つけることができました。
暇すぎて暇すぎて…という方は是非見てみてください。
お子さんがいらっしゃる方は一緒に見て感想語り合うと楽しいと思いますよ♪