[病気のこと]
2014年09月17日
今話題のSFTSについて@
院長の安中です。
SFTSと聞いてもピンとこない方でも、今話題のダニが媒介するウイルス感染症と聞けばご存知の方も多いと思います。
SFTS、日本語では「重症熱性血小板減少症候群」と、とても難しい名前の病気ですが、
これが非常に恐ろしい病気なのです。
症状としては発熱と消化器症状(下痢、嘔吐、腹痛など)が多いようですが、病名にもある「血小板」は
止血に重要な役割を示す血球で、これが減少するため血が止まりにくくなります。これにより皮下出血
(全身の青あざ)や下血などを呈します。
2014年7月30日までに日本国内で85人のSFTS感染者の報告があり、うち26人が死亡しています(国立感染症研究所調べ)。つまり致死率が30%ということになり、これはとんでもなく高い数字です。もう一つ話題になっている疾病で、蚊が媒介するデング熱が致死率1%以下と言われていることからも、その高さがわかると思います。
ワクチンはなく治療法もないため、感染源であるマダニに咬まれないようにすることが唯一の予防法
になります。
ではマダニはどこにいるのか?主に森林や草むらの中にいるのですが、何より身近な存在としてわんちゃんの体にくっついていることがあります。実際にわんちゃんについていたマダニからSFTSに感染した疑いが強い事例もあり、人間の病気の予防のためにもわんちゃんのダニ予防がとても重要なことがわかると思います。
話が長くなってしまうため今回はここまでにして、次回はわんちゃんにつくマダニとその予防について、もう少し詳しくお話しします。