[日常あれこれ]
2024年10月15日
読書の秋なので本の紹介〜若干ネタバレしてるかも・・・〜
こんにちは、獣医師の大野です。
秋ですね!晴れてても少し肌寒くなってきましたが、
外で作業するのがとっても楽になりました。
⇧まだこれからのひまわり
7月暑すぎたりなんだりで、種まきから2ヶ月で咲くはずが大幅に遅れています。
この分だと今年も11月に花が咲きそうです。
頭では「快適だ〜」と思っていますが、季節の変わり目恒例の
神経痛と喘息に毎日襲われています。
全身快適!って日は一体いつなんでしょうね〜。
秋と言うことで前回は【食】について書きましたが、
今回は秋シリーズ第2弾、テーマは【読書の秋】にしようと思います。
ネタバレ含みますので、タイトルだけ知りたい方は
ザザッとスクロールだけしてください。
紹介したい本がたくさんあっていつも以上に字数が多いです。
石破首相の所信表明演説が9000字らしいですが、
超えてそうな気がします・・・
皆さんは読書してますか?
日本人の平均は年間12〜13冊ぐらいだそうですが、
これはあくまで平均ですので、内訳を見てみると
【年間0冊】の人が5割とのこと。
確かに当院でも、馬場さんと小池さんは読書を全くしません。
院長はたま〜に読む程度、今年に関しては今私が貸している本が1冊目だそう。
黒田さんは家族間で貸し借りしながらそこそこ読んでいる印象。
私も日本人の平均以上には読んでいるので、
スタッフの中でも5割程度でした。
子供の頃から実家には本棚がいくつもあり、収まりきらないほど父の本がたくさんありました。
父の本棚の本の内訳は
⇧こんな感じ。
数えたことはないけど多分4~5000冊ぐらいあると思う・・・
だいぶジャンルが偏ってますけどね。
実家にいた頃は、時々引っ張り出して読んだりしていましたが、
他人の本棚から本を引っ張ってきて数冊読むと、
どういう傾向のものが好きなのかとかが掴めてきます。
どうも小説分野は私と父の趣味は違うようで、
更にスポーツ関連の書籍にも興味がなかったので、
専ら事件・ノンフィクション系と歴史系を読んでいました。
あとは辞書とか図鑑とかも結構好き。家庭の医学とか。
先日家の掃除をしていたら子供の頃の読書感想文が出てきました。
小2の私が書いたのがコチラ
⇧【ああ無情】。「レミゼ」ってやつです。
小2にしてはだいぶ渋めな選択ですが、結構好きでした。
その思い出があったので少し前にミュージカル映画になっていたのを見ましたが、
あれはちょっと私的には違いました。
あの作品がというよりは、たぶんそもそもミュージカルが苦手なんだと思います。
楽しいストーリーで歌うたってるのは良いんです。私もよく歌ってます。
でも、貧困で生きるのが辛くて泣いている人の問いかけに歌で返すっていうのが・・・
もし私が実際それをされたら
「コイツ、私の話全然聞いてないな。こっちが真剣に悩んでるのに・・・」と思うのは必至です。
でも!なんと映画の中では泣いてた人も歌で返すという…
そうなってくると「あ・・・もしかして本当はそんなに辛くなかったんじゃ・・・?」と
変な邪念で話が入ってこなくなりました。なので、私は本の方が良かったです。
中学生頃には自分の中での第一次読書ブームが起きました。
きっかけとなった本は
24人のビリー・ミリガン。
解離性同一性障害(=多重人格)に関するノンフィクションです。
性犯罪を犯したビリー・ミリガンの取り調べをする過程で、
彼に23個の別人格があることが分かり、
治療によって人格統合を行っていく内容です。
人格が切り替わると性格だけでなく、筆跡や絵のタッチや言葉のなまりまで
ガラッと変わってしまうようです。
自分の身近には解離性同一性障害の人はいませんでしたので、
フィクションではなく実際に病気の人がいるんだということや、
血液検査値などで診断が出来ない精神医学や心理学の世界に
興味を持つきっかけになった本でした。
そこから著者のダニエル・キース氏がオススメしていた
トリイ・ヘイデンシリーズ。
こちらは児童精神医学や児童虐待に関するノン・フィクションでした。
1冊あたり500ページ以上あるため非常に読みごたえがありました。
これを読み終わる頃には、もうノンフィクションしか手に取らなくなっていました。
学生時代はどうしても学校の勉強やバイトがあったりと忙しく、
本を読みたくてもなかなか時間が取れないことが多かったのですが、
社会人になって数年後、ひとり第二次読書ブームが到来しました。
学生の頃と違い、お金にもある程度自由が利くようになり、
また、車に乗るようになったことで近所だけでなく
少し遠いブックオフにも行けるようになったため、
気になる中古本は片っ端から手に入れて読み漁りました。
院長とは好みの本のタイプが割と同じなので、
数十冊の本を貸し借りし、このころは年間100冊以上を読んでいました。
最近は電子書籍というものも沢山出ていますが、私はあくまで紙派です。
新品の本を購入することは滅多になく、大体Amazonの中古か
ブックオフから入手しています。
新品を買わないかわりに、中古なら気になるものは買って良いルールを作り、
読んでみて「微妙だったな」と思うものはたぶんもう二度と読まないので
そういうのはすぐに売ってしまいます。
本棚から溢れるようになったら総選挙を開催してリストラしたりもしますが、
先日巨大な本棚を2つ購入したためしばらくは大丈夫そうです。
また、10月からは私の住む野田市の図書館が電子の貸し出しを始めたようです。
これならそもそも出向く必要がなく、返却もボタン一つでOKなようなので、
少しずつ電子に慣れていこうかなと思っています。
私の本棚の内訳を見てみると
⇧こんな感じ。グラフにはない獣医療関連の本も入れると、全部で800冊ぐらいです。
事件・ノンフィクション系の本はよくよく見ると
父の本棚にあるものとかなりかぶっていたりします。やはり親子です。
人生で一番面白かった本は何だろうと考えましたがそれはとても難しい・・・
ベスト10に入りそうな本が
事件系だとこの辺の本でしょうか。
どれも実際にあった有名な殺人事件に関しての本なのですが、
どの犯人もなんというか・・・頭がおかしい。
殺人を犯した人なんで当然と言えば当然なんですが、
「恨みがあって殺した」とか「金が欲しく殺した」とかそれだけではない感じです。
上記の本の犯人たちは死刑囚として収監されており、世に舞い戻ってくることはありません。
でもこういう【良心を持たない人】はきっとそれなりの数いるんだと思います。
この手の本が苦手な人って結構多い印象です。
読んでいて気持ちの良いものでもないですし、むしろ気が滅入ったりすることもあるので
たとえ読者としてでも関わりたくないという人がいるのも確かです。
でも、そういう意見を加味しても、私は読んだ方が良いかなと思っています。
「普通はそんなことしない」とかそういう常識の範囲外にいる人たちのことを、
「関わりたくない」と言って知らないふりをするのではなく、
共感できなくても良いからせめて知っておかないと、
自分の身の周りに現れた時に対処できないので。
最近広域強盗がまた発生しているようです。
昨年あれだけ話題になって何人も逮捕者が出て、
簡単に大金を得ようといわゆる闇バイトに応募したことがきっかけで脅され、
最終的に抜け出せなくなってしまうことがこれだけ報道されているのに、
何故あんなにも馬鹿みたいにみんな応募するんだろう・・・と、
普通の大人は思うんですが、どうやら彼らはそもそも
「昨年広域連続強盗が問題になって大量の逮捕者が出た」という
このニュース自体を知らない人も多いようです。
SNSで流れてくるニュースだけでニュースを見た気になっているけれど、
あの手のニュースはその人が興味を持つ情報しか入ってこないので、
多分「○○の店がオープンしたよ」とかそんなことばっか。
私が小さい時は「TVなんか見てると馬鹿になる」と言われてましたが、
最近は事情も変わってきている印象です。やっぱり広く情報を得たり
周りの人や周りの事情に興味を持つことって大事です。
殺人を犯すまでではなくても、ルール守れない常識の通じない人とか
自分のことしか考えてない人、何ならな〜んも考えてない人って
私たちの身の回りにもい〜〜〜っぱい存在しますからね(笑)。
この仕事していると本当に色んな人に出会いますので、
残念ながら実害を受けることもあります。
実害は本当に勘弁してほしいですけど、
傍から見てるだけで済むなら非常に興味深いです。
そういう意味で本で出会えるのはちょうどいいですね。
また、Amazonのオススメに出てきたこちら
ケーキの切れない非行少年たち
こちらもとても興味深い内容でした。
非行少年たちの中には幼少期から学校の勉強についていけず
様々な問題を起こしていく中で悪い仲間と出会い
犯罪を犯してしまう子たちがとても多いのですが、
彼らの中には【障害】とまではいかないまでも、
生活に支障をきたすレベルで知能に問題を持つ子の割合が多く、
でも障害と認定されないために支援も受けられないケースが多いようです。
その為、学力の問題だけではなく社会のルールが理解できなかったり、
さらには周りの人の感情や空気が読めず周囲から嫌煙されてしまうなど、
非行に走る可能性が高くなってしまいます。
著者は医療少年院に勤務していた児童精神科医で、
そこでの勤務経験をもとに書かれた本ですのでとても説得力があります。
この本はマンガにもなっているようなので、興味のある方は是非!
挙げればきりがないのですが、これも是非読んで欲しいのが
モンスターマザー
こちらもノンフィクションです。
20年ほど前にとある男子高校生が自殺しました。
少年の母親は、部活内でのいじめが原因で自殺したとして
学校の最高責任者である校長を殺人罪で告訴しました。
でも、周辺の取材をする中で、どうも違った側面が見えてきます。
いじめは本当にあったのか、そもそも少年は本当にいじめを苦に自殺したのか、
もしそうでないならなぜ自殺したのか・・・など
色々考えさせられる内容でした。この本が1位かな・・・と思いましたが、
もう一つ悩んでいる本がありまして、これは院長の1位と同じでした。
それがこちら
殺人犯はそこにいる
30年ぐらい前ですが、北関東で5歳前後の女の子たちが
行方不明になり、殺されるという事件が何件か起きました。
その中の1つ、栃木県足利市で起きた足利事件。
容疑者が取り調べ中に自供をし、裁判で有罪となったため解決!
となっていたものの、この本を書いたジャーナリストの清水氏は違和感を覚え、
容疑者と面会を重ねたり資料を調べるうちに、
「これは冤罪ではないか?」と疑い始めました。
絶対的な証拠とされていたDNA鑑定が覆り、この著者の働きによって
裁判でも【冤罪】が認められ釈放されました。
でも清水氏はそれだけでは終わりません。
それなら真犯人は誰なのか・・・同じ地域で同様に発生していた女児殺害事件との関連は?
実は清水氏、真犯人として非常に可能性の高い人物に辿り着いて取材まで行い、
捜査機関に情報提供までしています。
また、DNA鑑定が覆ってしまったことで、これまで鑑定結果に基づいて
犯人と認定されてきた人たちの冤罪の可能性が出てきたり、
でも中には無実を訴えながらも既に死刑が執行されてしまった人もいたり・・・
と、長編小説でもなかなかないような展開です。
詳細はぜひ読んでいただきたいのですが、この著者の清水氏、
他にもいくつか本を書かれていますが、とにかくジャーナリスト魂がすごい!
この人にお願いすれば全部真相明らかにしてくれるんじゃないかと思うほど
粘り強く取材を続ける方です。追われる側だったら嫌でしょうけど・・・。
私と院長のおすすめが被っていたことで黒田さんが興味を持ち、
数日で読破しました。
DNA鑑定に関するところが少し難しかったとのことでしたが、
読み終わってしばらく「冤罪怖いですね」
「もし自分が冤罪になったらどうしますか?」と、ややトラウマになったようでした。
そんな黒田さんのおすすめ本はこちら
魔球
東野圭吾さんの初期の頃の作品です。
甲子園に出場するような強豪校の野球部のキャッチャーが
大会の直後愛犬とともに刺殺体で発見され、
その後バッテリーを組んでいたピッチャーも同じ刃物で刺殺されます。
この事件の裏には何があるのか・・・という内容です。
東野圭吾さんのミステリーは何作か読んだことがありますが、
この『魔球』は知りませんでした。
黒田さんに本を借りたので、読んでみようと思いますが、
噂によると最後の方で何らかの形で感動が押し寄せるようです。
心の準備しておこう・・・
小池さんは読書は全くしないとのことでしたが、おすすめ本を聞いたところ
リアル鬼ごっこ
お~なんか聞いたことあるぞ?
リアルってことはなまはげみたいな感じかな〜と予想しましたが、どうやら違います。
佐藤さんという人が多すぎるので、佐藤さんと名の付く人を捕まえて処刑して
佐藤さんの数を減らそう! と国王が決断した世界の話らしい・・・
そんな横暴な・・・実際佐藤さんは現在180万人もいるらしいですが、
でも仮に佐藤さんがいなくなったところで177万人いる鈴木さんはOKなのか・・・
とキリがなさそうですね。
調べてみたところ、当院の患者さんでも一番多いのは佐藤さんで24世帯あり、
2位の鈴木さんは19世帯でした。
このまま夫婦別姓が続いていくと、単純な計算上では
500年後ぐらいには日本人は全員佐藤さんになるらしいですよ。
リアル鬼ごっこは映画化もされているようです。
小池さんと同じく読書を全くしないという馬場さん。
確かに大昔「『嫌われる勇気』を読んでる」といいつつも
1年ぐらいず〜っと読み終わらず、最終的に
「よくわかんなかった」との感想でした。
そんな馬場さんのおすすめの本は、乙一さんのGOTHという本
⇧シリーズものなのか複数あります。
「どれを読んだ?」と聞いたところ「え〜わかんない・・・」
え?おすすめなのに?
「じゃあさ、どういう内容だったかがわかればどれかわかるんだけど・・・」
「え〜内容も全然覚えてない・・・」
おすすめなのに何の記憶もない、これぞまさにホラーです(笑)。
実際、話の中身もどうやらホラージャンルらしいということだけは分かったので、
ホラーのお好きな方は是非!
因みに馬場さん、私の所持している「金田一少年の事件簿」シリーズを全部読みました。
金田一は「読み終わった~」と思っても数年後新たなシリーズが出たりするので
かなりの冊数があります。その中でも
犯人たちの事件簿シリーズ
これ、とても面白いです。馬場さんちょっと泣いちゃうぐらい。
他のシリーズとは異なり、これは犯人側が主人公になっています。
金田一のトリックって「なるほど!そういう手があったか!」と
感心するものが多いんですが、実はそのトリックを実行するために
犯人たちは精神的にも肉体的にも経済的にもすさまじい努力をして、
何年もかけて準備をしています。
それなのに、一瞬で見破られてしまう切なさ・・・。
怖さは全くありません。完全に笑かしに来ています。
ただ注意点としては、こちらはあくまでも本編のスピンオフなので、
本編の方を読まないと面白さは分かりません。
でも、このスピンオフを読むために本編を読んでも良いぐらい、
それぐらいの価値があると思いますよ。
というわけで、色々おすすめ本をご紹介しました。
ご紹介した本が「とても気になった方」にお願いです。
私が紹介した本が気になる方、それは恐らく私と好みの本のタイプが同じです。
なので、その方がおすすめする本は私が好きなタイプの本の可能性が高い。
ですので、該当の方いらっしゃいましたら、是非おすすめ本を教えてください。