[病気のこと]
2023年12月08日
最近多い来院理由 と トイレの盗○はじめました!
こんにちは、獣医師の大野です。
今年もビオラを植えました。
毎年新色が出たりするほど種類が豊富で、
あれもこれも欲しくなってしまいます。
昨年はメルヘンな感じのラインナップにしましたが、
今年はちょっとビビッドな感じで。
アリッサムは割と早くダメになってしまいましたのでリベンジです。
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先日、夜のオシゴトに行ってきました。
9月に開院しました東葛地域の夜間救急病院
正式名称:とうかつ夜間どうぶつ病院
静かなところなので、夜は暗闇が広がっています。
暗闇の中のバイト、略して【闇バイト】
仕事終わりの20時頃到着し、院長に持ち帰りのお寿司をご馳走になり
⇧こんなの。うまい、うますぎる!
そして21時のスタートまで院内を物色。
広〜い受付・待合はこんな感じ。
⇧見慣れぬ場所に見慣れた背中。
診察室もとっても広い!
全体的に広すぎて、38歳でも側転で移動したくなる程です。
やっほい!
※あくまでイメージ、実際にはしてませんよ!
夜間救急は重症な子が来る可能性がいつもより高いので
その辺に関しての不安ももちろんあるのですが、
お薬や機材のラインナップが当院とは異なりますので、
一体どんな治療が出来るのかとか、どこに何があるのかとか
その辺がまだつかみきれてないこともやや不安です。
また、この時は諸事情ありまして院長と私の獣医師2人でしたが、
今後は泣いても笑っても獣医師は自分1人でして、他は
愛玩動物看護師もしくは来年以降国家試験受験予定のスタッフさんが
2人ほど補助してくれます。
「はじめまして〜」の数分後には診察がスタートする感じなので、
上手い事コミュニケーションをとっていければなぁと思います。
獣医療はチームワークが大事ですからね。
最近夜間救急でかなりの数で訪れているのが
【猫の尿道閉塞】です。
腎臓で作られた尿をためる膀胱の中に、
顕微鏡でやっと見れるぐらいの【結晶】という物質が出来、
これが集まると【結石】と呼ばれる砂粒ぐらいの
肉眼で見えるサイズになります。
更に放置すれば丸まったダンゴムシぐらいにまでなります。
あまりにも大きくなると膀胱から出ることはできないのですが、
砂粒サイズだと排尿時に膀胱から尿道に入ります。
オスはメスに比べて尿道が細く長いため、尿道のどこかに結石が挟まってしまうと
オシッコが出なくなってしまうのです。
これは人も犬も猫も共通ですが、ウンコに関しては数日でなくても…まあ大丈夫。
人によっては便秘で数週間でないこともあると思います。
お腹に違和感はあるでしょうが、日常生活送れなくはないです。
⇧便秘になったことがないクセに偉そうなこと言ってみる…。
ただ、オシッコが出ないのは一大事です。
尿道が詰まってしまって膀胱内のオシッコが排泄できなくなると、
そのオシッコは行き場を失って腎臓に戻るようになります。
こうなると腎臓は通常の機能が出来なくなってしまうのです。
腎臓の機能は【尿を作ること】ですが、ではなぜ尿を作らなければいけないのかと言うと、
別に「飲み過ぎた水分を出すため」ではありません。
ベストな飲水量だとしても尿は必ず出さねばならぬのです。
理由は【体の老廃物を体外に出す】というのが本来の腎臓の目的だからです。
その老廃物を捨てるために少量の液体に溶かしたのが【尿】になります。
つまり、排尿できないことで尿が腎臓に逆流し、
そのせいで腎臓が機能しなくなると体内の老廃物を外に出せないので
老廃物が血液中にたまり続けてしまいます。
こうなると元々は元気な子であってもご飯を食べなくなり、
お腹が痛いので触ると怒るようになり、気持ち悪さで嘔吐をし、
それでも放置し続ければ最悪死んでしまいます。
そもそも何故結石が出てしまうのか…
諸説ありますが、よく言われているのは【食事内容】です。
結石は【マグネシウム】とか【カルシウム】とか、
そういうミネラルが原材料になっていることが多いらしい…。
ただ、獣医師によっては食事なんか関係ないぜ!と言う方も存在するので
結局どちらが正しいかはわかりませんが、
10年以上一次診療に携わってきた獣医師としての現場感覚で言うと
食べ物の影響はある印象です。
結石がたんまりある猫たちはおやつで【カツオブシ】とか【海苔】とか、その他もろもろ
食べていることが多い気がします。
が!それ以上に原因として影響してそうなのが【体質】です。
兄弟猫で飼育していて、同じ食生活を送っていても
1匹だけ結石が出来てしまうということは意外とあります。
人間のものを食べても全然大丈夫な子もいれば、
猫用の市販のキャットフードを食べてさえいれば大丈夫な子、
療法食を食べてさえいれば大丈夫な子、
療法食しか食べてないのに結石が出来てしまう子・・・本当に様々で、
『その食事で大丈夫かどうかはやってみなければわからない』
と言うのが正直なところです。
ただ、体質ってそう簡単に変わるものではありません。
【体質改善】みたいなものって民間療法とかでちょいちょい見かけますが、
安全性が確立されているのかどうか、よく分からないものも多く、
中にはかなり宗教チックなものも存在します。
「これって大丈夫ですか?」と聞かれたりすることありますが、
我々は安全とも有害とも言えません。よく知らないので。
なので答えは一択。
安全かどうかは分かりませんが、飼い主さんの自己責任になります。
分からないことはその方法を提示した人に質問してみてください。
となります。
本当に効果があって、安全で、それらが証明されているものに関しては
信頼できる業者さんとか獣医師間で情報が回ります。
病院から提示されているお薬やサプリやフードに関しては
お答えできますし、我々に分からないことも業者に質問できます。
まあ、食事内容を変える方がよほど簡単で経済的だと思いますよ…。
一見療法食は高そうですけど、
再発繰り返して通院する方がかかるでしょうし・・・
あまり水を飲まずオシッコが濃くなりやすいと、尚更結石はできやすくなります。
寒くなってくるとトイレに行くのが億劫になってしまい
結果的にトイレに行く回数が少なくなってしまったり、
コタツやストーブなどの暖房器具で【隠れ脱水】となってしまうなど、
この時期は要注意な季節です。
夜間に連れて来られた猫たちは、まず尿道の石を膀胱に押し戻し、
それが無理でも最低限膀胱内のオシッコを注射器で抜いてあげなくてはなりません。
簡単に尿道の閉塞が解除され、その後点滴や食事管理で再発しなければ
とりあえずは経過観察になると思いますが、
どう頑張っても尿道に詰まってしまう場合には、手術をすることもあります。
男性陣は聞いただけで身の毛もよだつでしょうが、ペニスの先を・・・
これ以上はやめておきます。が、決して簡単なことではありませんので
そうならない為にも予防することは大切ですね。
尿道閉塞になってしまう猫には見た目にも傾向があり、
・去勢手術済みのオス
・ちょっと太め
・性格が甘ったれ
こんな感じの子が多いのですが(要するにかわいい)、
なんとのんさんは全てが当てはまります。
食事はとても気を付けているので、今のところ
尿検査で結石が発見されたことは一度もありませんが、
のんさんのオシッコはいつも非常に濃く、日によっては
24時間以上オシッコをしないこともあり、飼い主としては心配です。
ずっと一緒に居られれば、何度もトイレに入る様子などで気づけますが
お留守番させているとそれも難しい・・・
帰宅してトイレを確認すると、オシッコをした形跡があるので安心はするものの、
そのオシッコをスムーズに出したのか、何度も出入りしてやっとこさ出したのか
そのあたりはわからないわけです。
でも、獣医師が自分の飼っている猫のオシッコの異常に気付けず
急性腎不全にまでしてしまったら・・・恥ずかしい!!!
というわけで、最近のんさんのトイレの前にこちらを設置。
⇧ワイヤレスのwifiカメラ 人感センサー&暗視機能付き
このカメラの画角内でなんらかの動きがあると私のタブレットに通知が届き、
そこからカメラが勝手に起動してくれます。
一日の終わりに検知履歴を見ると、いつトイレを使用したかが分かるわけです。
トイレに入らず前を通過するだけの時にもいちいち反応してしまいますが、
のんさんは元々動き回るタイプではないのでそれほど困りません。
因みに部屋が真っ暗であっても
これぐらいの画質で撮影できてますし、
起動音などもないのでビビリなのんさんでも安心です。
また、動くものを検知していない時はスリープ状態のようになっているので、
1度充電すると3週間ぐらいは使用できるのでとても便利です。
時々
にゃんだ〜?
⇧こんな風に覗き込んでいる時があったりしてちょっと嬉しかったりもします。
トイレを盗撮するなんて最低かもしれませんが、のんさんは気にしてないようです。
私はカメラを2年前に楽天で購入しました。値段は変わってるかもしれませんが、
今楽天はスーパーセール中ですので、気になる方は是非チェックしてみてください。
一緒に隠し撮りしましょ!