[日常あれこれ]
2023年11月22日
飼い主とペットは似るの?
こんにちは、獣医師の大野です。
まずはお知らせです。
明日11/23(木)は勤労感謝の日で祝日なのでお休みです。
⇧いつも おしごとしてくれて ありがとにゃ の顔。たぶん。
先日、大谷翔平選手が2度目のMVPを取ったようですね。
私はそんなに野球に関心がある方ではないのですが、
ニュース見ていると彼の話題がどうしたって出てきますので、
なんとな〜くどんな人物かを知っている感じです。
よく知らないくせに語るのもアレですけど、
元々才能にあふれているのに努力家でもあり、しかも謙虚だったり
チームメイトにいたずらしたりなど愛嬌もあり・・・最強ですね。
テニスの選手とかで、試合中にイライラしたりすると
ラケットへし折ったり大きい声出したり、負けたら怒って帰っちゃったり、
サッカーの試合とかでも露骨なファールを仕掛けたり、
そういうのを時々見かけますが、何とも言えない嫌〜な気持ちになります。
「そんな風になるぐらいならスポーツなんかやめちまえ!」
とか思ったりもしますが、一方で
「日本の有名選手がそういう人たちじゃなくて良かった!」
と心から思います。
大谷選手がそういうことするなんて全く思えないですし、他の競技の選手たちも、
負けた試合後にたとえ意地悪な質問されても、いつも感じ良いですもんね。
そういう人たちは応援したくなりますね。
ところで、大谷選手が愛でてた犬が少し話題になってました。
【コーイケルホンディエ】と言う犬種らしいです。
⇧JKCのHPより拝借
とても珍しい犬種なので、私も会ったことはありません。
オランダ原産の犬でKooikerhondjeと記載するので、【コイケルホンド】の名で
当院の待合にある犬種図鑑にも載ってましたよ。
調べてみたところ、第二次世界大戦後には数十匹まで少なくなっていたところを
少しずつ繁殖を繰り返して増やしているようです。
ただ、数が少ない分どうしても
血縁が近い者同士での交配になりやすくなります。
今回大谷選手が飼っているということで、この犬種の特性を理解せずに
安易に「欲しい!」と手を出してしまう人が一定数いるでしょうし、
それを予測して金儲けの匂いを嗅ぎつけた悪徳ブリーダーが乱繁殖
とかしてしまうと、遺伝病とか、飼育に向かないタイプの子が大量に作出されたり等、
結構大変なことになりそうだな〜とか、そういう視点で見てしまいました。
世界的に注目を集めたこの犬種ですが、元々はカモ猟をする猟犬らしく、
その為1回あたり1時間以上の散歩を1日2回以上必要なほど
活動的な犬種だそうです。その覚悟がない人が飼ってしまうと大変そうですね・・・
大谷選手が飼い主であれば、野球だけでなく犬にも誠実に向き合ってくれそうですし、
実際映像で見る限り、賢そうで可愛かったですが、
たぶんと〜〜〜っても時間も手間もお金もかけられてますからね。
どれか1つでも欠けてしまうのなら飼えないでしょう。
私は獣医師なので一般の方より知識は豊富ですし、犬の飼育経験もありますが、
それでもあの犬種を飼う自信は全くありません。
ミーハーな人間たちの犠牲になる犬が出ないといいな〜
と願っています。
ところでコーイケルホンディエは猟犬なので活発で運動大好きで、
適切なしつけをされた個体はとても賢いそうです。
また、のみ込みが早く友好的とのこと・・・恐らくですけど
大谷選手と似ているタイプな感じがします。
保護した動物を飼う場合には選ぶ余地がないことが多いですが、
ペットショップやブリーダーから購入するケースでは、
数多ある種類の中から選んで購入することになります。
その場合、人間側の性格や生活スタイル、家族構成と
動物の本来の気質が合致していないとお互いにストレスになります。
例えば、私はのんさんと生活していますが、
のんさんは屋外には全く行きたくない子ですし、
静かな室内でのんびり生活するのが好きです。
私も明るい日差しの下でのお出かけは苦手ですし、
騒がしいのも苦手で、家にいるのが大好きです。
なので私たちは生活リズムがとても合っていますが、
仮にもしお散歩大好き!人混み大好き!な犬を飼ってしまうと、
その願いを叶えてあげると私は1週間ももたずに体調を崩すでしょうし、
私が自分を優先させれば、その犬はストレスで病気になったり性格が歪んでしまいそうです。
なので、飼い主さんとそのペットの両方が心身ともに健康で生活している場合、
この辺りが似ている者同士なはずです。
では性格はどうか・・・
【社交性】
これは飼い主さんとペットは比較的似る印象があります。
社交的な飼い主さんは他の人や動物と会う機会が多かったり、
ご自宅にお客さんが来ることが多くなるので、
動物たちもよその人、よその動物に慣れている子が多い印象です。
逆に散歩などにも行かず、人との関わりが少ない子の場合には
よその人、よその動物と上手に関われない子が多い印象です。
【神経質さ】
これも割と飼い主とペットで似てくる印象です。
病院でのお預かり中にケージの中で排泄をしても、絶対に踏まないように
反対側の端っこによけている子、たま〜に見かけます。
よくよくお話を伺うと、ご家庭でもかなり衛生面に気を配っているようで
汚物はすぐに片づけて臭いなど絶対残さないようにしているとのこと。
飼い主さんのそういう部分が伝染しているのではないかな〜と思います。
キレイ好きの飼い主さんとキレイ好きの犬がペアだと非常に平和そうです。
かく言うのんさんも、あんな顔して実はかなり神経質です。
トイレが少しでも汚れていると嫌がりますし、
自分のブランケットの上で吐いてしまったりすると、
どんなに寒かろうがもうその上には乗りませんし、
吐物どころかブランケットがめくれているだけでも嫌らしい・・・
ベッドメイキングしてあげるとすぐに乗ります。
「何でこんなになったかな〜」 と思ってましたが、院長に言わせると
「飼い主が神経質だからですよ!」
とのこと。
神経質・・・?誰が・・・?私・・・?と思いましたが、
自覚は全くないもののどうやらそうらしいです。
別に潔癖でもなんでもなく、ただ「臭いがする」とか「虫が湧く」とか「病気になる」とか
そういう不衛生なのが嫌なだけなんですけどね〜
【気の強さ】
これに関しては、少なくとも私の周りでは逆の現象が起きています。
当院のスタッフはそれほど気の強い人はいないのですが、
スタッフの飼っている動物たちはと言うと・・・
院長の家の木くん、薪ちゃんは挨拶がいつもシャーですし、
馬場さんの家の三毛猫ちゃくさんも、トイプードルのがっつ君も、
小池さんの家のパティさんも、黒田さんの家のレオくんも、
みんな割と気が強い・・・。
一方のんさんはと〜っても気が弱く、仔猫に威嚇されても何も言い返せませんが、
その飼い主(私)はと言うと相手が誰であろうが・・・みたいなところがあります。
⇧タオルを手に巻いて挑発するとちょっとだけ戦闘モードの耳になるのんさん。
何でのんさんはこんなに意気地なしなのかな〜と思いましたが、院長曰く
「飼い主の気が強いから、のんさんは
自分で自分を守る気がないのではないか」
とのことでした。守ってもらう気満々であると…。
まあ確かに、のんさんは私に頼りすぎてる部分はあるかもしれません。
大きな雷とか大きな地震とか、何か怖いことがあったりすると
自分の感覚で動く前に、ちらっとコチラを見て
これ、だいじょうぶなやつ?
と、私の判断を仰いでます。
例え大丈夫じゃなさそうなぐらいの時でも、ビビらせてもしょうがないので
「あ〜これね〜、全然大丈夫なやつよ〜」 と返答しますが、
動物って本来自分で判断して逃げるはず・・・
⇧時々自主的に一人で地震を想定した避難訓練してるのんさん。
あなた一人生き残ったところで、その後生きていけないでしょうに。
地震よりも、雷よりも、のんちゃんの苦手なおじさんよりも、
この世で一番強いのは私なのよ〜
と、いつも吹き込むようにしてます。そのせいかな〜あんなにへなちょこ男子なのは・・・
ま、こんな風に育て上げてしまったのは私の責任なので
最後までしっかり面倒見ようと思っています。
あと性格に関して言うともう一つ。
私が大学時代に所属していた研究室では、飼い主さんの心理とか
動物の心理学に関する研究をしていたのですが、
その時に読んだどこかの誰かの論文で
「飼い主と動物は似るのか」みたいなものを読んだ記憶があります。
結論的には、生活スタイルが似ているので
体型とかはかなり近いことが多いとのことでした。
うん、わかります。それは間違いない。のんさん見ると納得です。
加えて、動物を飼うときに自分の欲求を満たす動物を選びやすいそうです。
例えばブランド志向が強い人にとっては、のんさんみたいなどこにでもいるような
普通の猫ではつまらないので、もっとハイセンスだったり珍しい動物を選ぶ傾向があり、
肩で風切って周りを威嚇するように歩く厳つい人が、可憐で華奢な犬を連れて歩いてたら
自分の強さを強調できないので、もっと筋肉質で強面で安易に手を出せないような
大きめの犬を連れて歩く傾向があり、
犬友達が欲しい、ドッグランや犬のイベントに参加したい人は
周囲の人に警戒心を与えないような見た目で、
性格も明るく社交的な犬を選びやすい
みたいなことが書かれていました。これは確かにそうですよね。
「仲良くしたいです」って言われても、地獄の番犬ケルベロスっぽい犬だと
怖がってみんな近寄ってくれない、ってなりますもんね。
私ももしのんさんがもっとシャキッとしてて、キリッとしてて、
やすみのひだからって ダラダラするのは よくないにゃ!
みたいなことを言ってくる猫だったら、ちょっと寛げません。
なんも するきが おきないにゃ〜
うん、これぐらいが丁度いい!
あと、顔に関してですが・・・
この仕事をしていると飼い主さんと動物のペアを数百組見てますが、
あまり大きい声では言えませんが
ものすご〜く顔が似てるペアをちらほら見かけます。
ご夫婦とかなら数十年一緒なので似てくるのかもしれませんが、
たかだか10年前後で、しかも種族を超えてとなると
「徐々に似ていった」と言うよりは
「人間が自分に似ているのを飼った」 の方が正しい気がします。
と、思っていたのですが、先日のんさんを抱っこしてウロウロしていたところ
「あら!先生の猫ちゃん?顔そっくりじゃない!」
と言われました。しかも最近、何人かから言われています。
のんさんは選んで飼ったわけじゃないのに・・・
だって私が院長から譲り受けたときは
まだこんなでしたし。
ということは・・・似てきたんでしょうか・・・。
別にいいんですけど、ただちょっと気になることが。
のんさんはスタッフの間では
・何もしなくても顔だけで笑いがとれる
・な〜んにも考えてない顔
・緊張感のないふざけた顔
・素っ頓狂な面白い顔
と評価されております。
⇧こんな格好させられてる時ですら、素っ頓狂だし
⇧真剣な時もなんか笑える・・・
⇧だからその左手なんなの(笑)頬杖ついてんの?
のんさんは猫なんで別にそれでもいいんですけど、
その顔と、仕事中の私の顔が似てるとなると・・・
私、仕事中の顔、やばいですよね?
命を預かる仕事をする顔ではないってことですよね?
今まで気づいていませんでしたが、反省ですね。
不適切な顔をしていたようで、申し訳ございませんでした。
お詫びにこちらをご査収ください。
☻院長による、のんさんの営業スマイル講座☻
⇧真顔からの・・・
⇧強制にっこり。怖い・・・