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[日常あれこれ]

2022年07月08日

今年2人目の実習生と動物看護士資格について

こんにちは、獣医師の大野です。

6/15に千葉県民の日だったので、それが終わるまでは
壁面飾りは【千葉県】でした。この選択は間違ってないはず。

で、6/16に【梅雨】をテーマにあじさいとかてるてる坊主とか飾ったわけですよ。
まあ、自分で言うのもなんですけど、なかなか良い仕上がりでして、
眺めてはほくそ笑んでいたわけですよ。最初の10日間だけは。

6/27に関東は梅雨明けしたそうで・・・
いやいや、毎年7月中旬ぐらいまでは梅雨でしたよね?
だから6/16から飾ったとしても、1カ月ぐらいは飾れるはずだったんです。
で、7月中旬からは【夏】をテーマに飾ろうと思っていたんです。
なのに・・・
そりゃないぜ!?

とりゃ


当然のことながら、【夏】の飾りはまだ構想も練っていない状態でした。
超特急で何か作っても良いんですけど、なかなか思い浮かばないですし、
やっつけ仕事みたいになるのも嫌ですし、そしてなにより
折角作ったやつ、10日で撤収なんて悲しすぎる!

そんなわけで、【梅雨】テーマにUVレジンで作ったあるものを追加。
みなまでいうな

I know the rainy season is over.
日本語訳:梅雨が明けたことは知っています。

いわゆる注釈ですね。
梅雨明けたけど、敢えて飾ってるだけだから、みなまで言うな!みたいなことです。
お察し下さい。
今超特急で【夏】作成中です。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
当院に、またまた動物看護の実習生が来ています。
専門学校2年の黒田さんです。
頑張る背中

黒田さんの学校は、トリマーの小池さんの母校でして、
小池さんはペット総合科の卒業生なので、トリミングも看護も広く浅く・・・ですが、
黒田さんは動物看護科に在学中なので、ガッツリ動物看護を学んでいます。

実は、今年からこの「動物看護士」という資格は大きな変更があります。
それによって、動物病院業界には今、激震が走っています。
(↑言い過ぎた。震度3ぐらい)
私はこの資格を持っているわけではないのでそこまで詳しくはないのですが、
今日はこの動物看護士という仕事の資格について書いてみようと思います。

人間の医療の世界では、看護職というと
「看護師」「准看護師」「助産師」「保健師」の4種類があります。
看護師は診療の補助や患者さんへの医療・精神面のケアをしています。
准看護師は医師や看護師の指示がないとこれらの業務を実施できません。
看護師准看護師の違いはここで、看護師は国家資格、准看護師は都道府県の免許だそうです。
助産師はザックリ言えば産婦人科系の看護師
保健師看護師保健師両方の資格が必要で、病気の予防や保健相談、指導を行います。

さて、では動物看護士はどうなっているのでしょうか。
元々獣医師の資格というのは明治の頃からありました。
当時は家畜がメインでしたので、食用の動物だとか、軍馬だとか
そういった大きい動物を診療するのが普通でした。
もちろんずっと昔から犬や猫を飼うということはしていましたが、
愛玩動物としての犬や猫に医療を受けさせるというのは主に戦後に始まったことです。
この戦後のペットブームによって、私たちのような小動物獣医師が増え、
それに伴って動物看護という概念が生まれました。

ただ、動物看護士の資格はというと、人間の看護師や獣医師とは少し違います。
これまで動物看護士は民間の団体が出している資格しかなく
基準もそれぞれの団体によってかなり違いました。
なので、試験を受けて合格しなければ取れない団体の動物看護士資格もあれば、
椅子に座って講義を指定された時間聞いていれば取れる団体の動物看護士資格、
はたまたそこそこの金額の通信講座を受けさえすれば、
一度も動物に触ることなく取れる
団体の動物看護士資格もありました。

正直、しっかり理解したかどうかとかを確かめることなく、
言い方悪いですが、講義聞いてるだけや、お金払って通信講座取ればいいだけなら、
その講義の間中、上の空で考え事していようが
まじめにやれ



真剣な顔して鼻クソほじっていようが、
ほじほじ



何をしていても取れるということになります。
授業に参加していただけで命を扱う資格を取るのは・・・どうなんでしょ。

と、私が思うまでもなく、多くの人がそう思っていたはずです。
動物看護の資格を持っていることが知識やスキル、心構えがあることの証明に必ずしもならないので、
専門学校に行っていない人、他の職種で働いていた人などで無資格であっても
動物病院で看護をしている人もかなりの割合でいました。
動物看護の資格というものが、もっと知識やスキル、心構えを身に着けていることを客観的に、
皆を同じ基準で評価証明できる資格であれば…

そう思った人が多いからかどうかは知りませんが、10年ぐらい前に
「認定動物看護師」というこれまた民間資格ができました。
一般的に「統一試験」と言われます。
「統一試験」なんて、名前からして統一されてそうですよね。これでやっと落ち着いたか・・・
と思ったものの、これまたちょっと「おや?」と思う部分が・・・。

それは、この資格の受験資格や取得方法です。
「所定の学校を出て動物看護について学んだ上で、
なおかつ試験に合格している」

ふむふむ。良いと思います。
獣医師も同じです。6年制の獣医学科出て獣医師国家試験に受かって初めて獣医師ですから。

ただ、この統一試験が始まった当時に、数年間の救済措置というものがありました。
既に何年もこの業界で働いている人たちの中には、実務経験はあるのに
動物看護の専門学校や大学を出ていない人たちがいたりしますし、
学校で勉強ができる学生さんたちに対して、働きながら勉強しなければならない
現役動物看護士たちは不利だということになったようです。
また、学校を卒業していても、それが何年も前のカリキュラムだと
必要な単位が足りなかったりする人たちも出てきます。
そんな既に働いている人たちへの救済措置が

それなりの実務経験がある人は、試験を受けて合格する

か、もしくは

講義に参加してポイント貯めて、貯まったら試験なしで合格にする


というものでした。
試験受けて合格は良いと思うんですけど、
ここに来てまたポイント制・・・
ポイント

銀だこじゃないんだからさ・・・
当然、試験よりはポイントの方が楽ですよね。
ですので勉強して試験ではなく、講義に参加してポイント集め
この資格を取得した人たちがたくさんいました。
理解してるかどうかはやっぱりどっちだっていいような印象です。

つまり、統一になったとはいいながら、前とあまり変わらないじゃん!となりました。
この取得方法の緩さは恐らく「民間資格」だからなんだと思います…が、
私はなんだかんだ民間資格を9個持ってますけど、「なんの役に立つんだ?」みたいな
どうってことない資格でも、ポイント制だったものはない
です…。

で、結局今年度から新しくなったのが
【愛玩動物看護師】資格です。
ついに、民間資格から国家資格へパワーアップ!
これまで数多あった民間資格のどれを持っていようが移行はできません。
既にこの業界で働いている人たちへの救済措置もありますが、
ポイントとかではなくちゃんと試験を受けて合格しなければならなくなりました。
つまり、鼻ほじって講義聞いてるだけではダメで、仮に指が鼻に入ってようが
ちゃんと勉強して理解して、試験に合格しないともらえない資格だということです。

これでやっと、動物看護師がちゃんとした国家資格になる!
と、この資格とは違う資格で動物医療をしている身としては思うのですが、
当事者たちはそれどころではなさそうです。
なぜなら…

この資格を持っていない人は、動物看護師を名乗れなくなるのです。

当然と言えば当然です。私は獣医師資格を持っているので獣医師を名乗れますが、
医師の資格は持っていません。だから例えどんなに独学で勉強しようが、
どんなに診断技術が凄かろうが、「医師」を騙ってはいけないのです。

ただ、動物看護士はこれまで民間資格だったため、動物について勉強した歴史がなくても
その動物病院で動物看護の仕事をしていれば「動物看護士」と表記されていました。
それが、近々「名称独占業務」というものになります。これは
「資格持ってないなら【動物看護師】と名乗ってはいけないし、
周りから【動物看護師】であると誤解されるような、似たような名前もダメ」

ということです。
例えば・・・「ペット看護師」とか「動物ナース」とかもダメだと思います。
これは当然獣医師もそうです。

実は私の活動圏内にあるトリミングサロンの看板に「ペット医 常駐」みたいなの書いてあるんですが、
「獣医師」って書かないところ見ると、「ペット医」は全くの素人ですし、
なんならそういう法律があることも知らないような謎の人物がいるということです。
ちょっとヤバイとこだと思います・・・

がくぶる


馬場さんが調べた所によると、約4か月後の2022年11月、
この日本から「動物看護士」という人は1人もいなくなります。
そして、この国に誰一人として動物看護士がいないという状態で、
2023年2月19日 第1回愛玩動物看護師国家試験 が行われ、
この試験に合格した人だけが「動物看護師」を名乗れるようになるのです。

ということは、当院のホームページですが・・・
HP

↑スタッフ紹介のこのページ
小池さんは トリマー/動物看護士 とありますが、
彼女は【動物看護士】の表記が消えても【トリマー】が残ります。
問題は、馬場さんです。
馬場さんは【動物看護士】の表記が消えて、肩書をどうするか検討中です。
でも、【動物看護師】と再び名乗れるように、現在国家試験の勉強を頑張ってます。
たぶん…頑張ってるはず…
第1回の試験なので過去問があるわけではないのですが、
きっと統一試験の時の試験問題に比較的近いのではということで、
過去問を中心に勉強しているようです。
私と院長も時々これら過去問を解いて、馬場さんが解からないところは
解説できるように準備しています。

ですので、来年2月に国家試験を受け、3月の合格発表後、
【動物看護師】と表記されている人たちが、国家試験の合格者ということになります。
また、実習生の黒田さんは現在2年生ですが、3年生になったら
国家試験の勉強を本格的に始め、2024年の2月頃に受験するんだと思います。

これ書いちゃうとプレッシャーになるかな〜と思いまして、
馬場さんにブログに書いても良いか確認したのですが、
「『勉強しなきゃ!合格しなきゃ!』って気持ちになるから書いても良い」
とのことでした。なので、プレッシャー、かけさせていただきました。
頑張れ〜!!

でも馬場さんだけにこんな仕打ちは申し訳ないので、公平を期すために発表しますが…
私も近々、5つ目の国家資格に挑戦します。それは…
「ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士  3級」
年金とか、相続とか、保険とか、ローンとか、投資とか…
ざっくりお金に関する資格です。
お金は大事だよ〜

別にそういう仕事をしようってわけではないんですけど、
お金に関する悩みって尽きないですよね?
その度にFPさんに相談するんでも良いんだと思うんですが、
勝手な印象ですが、保険屋さんにいるFPさんはやっぱり保険勧めてくる感じしますし、
銀行にいるFPさんはやっぱり投資勧めてくる感じしますし、
不動産関係のところのFPさんはやっぱりマンション購入勧めてくる感じしますし、
どうも自分が所属している母体の営業色強い印象、ありませんか?

そう思ってしまうと、「本当に私のこと考えて言ってるのかな〜」とか
疑ってしまう自分がいるのです。
基本的に「自分のことは自分で!」というモットーで生きていますので、
FPさんに相談して親切にしてもらったくせに疑うのではなく、ある程度自分で判断できるぐらいの、
最低限の知識を身につけたいな〜と思うのです。
老後2000万問題とか、ありますからね〜

そして実はこの試験、直近では9月なので馬場さんの試験よりも先です。
私も自らを逃げられない状況に追い込むために、敢えて発表してみました。
正直今の仕事とは全っっ然関係ないので、予備知識なさすぎて大変ですけど、
まあ、気長に頑張ります。

口に出して言われるとプレッシャーなんで、心の中で応援してくださいね。
で、もし同じタイミングでFP3級受けようかと思ってる方いらっしゃったら、
コソッと声かけてください。同志がいると嬉しいですので♥

おまけ
馬場さんに七夕の願い事を聞いたところ、
「え…大金持ちになりたい!」とのこと。

あ・・・そう・・・「試験に合格しますように」じゃないんだ・・・

ま、そうですよね。私も「ジャンボで一等」ですから。
ジャンボで一等取ったら試験なんていくら落ちてもよろしくてよ。

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